第 7 回発表・抄録番号 4

セパラックス膜において、α−位の速い易動度を示したIgA、M−蛋白血症の検討 (5)

 この症例は、非常におもしろいといいますか、普通、M蛋白がα位の速い易動度のところに出現することは非常に珍しいことなんです。どうして、このような速い易動度をもつのか、ということで検索を進めました。

 これは、血清蛋白電気泳動と免疫電気泳動パターンです。α位のM蛋白はIgA−κ型であることがわかると思います。また、Bence−Jones蛋白も確認されました。
 それでは、このM蛋白が、良性か悪性かということなんですが、IgGの沈降線は非常に短くなって、減少しているということがよくわかると思いますし、IgMの沈降線もほとんど認められません。要するに、M蛋白以外の免疫グロブリンは、非常に抑制されているということがわかります。
 このことから、非常に悪性のM蛋白である可能性が高いことがわかってきます。



次へ   ELPフォーラム症例検討会へ戻る