【質疑応答2】
(発表者)臨床の先生にお伺いしたいんですけれど、臨床的に症状が全くないで、元気にいるので検査もしてないです。 (発言者2)検査してなくて、感染が無いという訳ですね。 (発表者)無いんじゃないかという話でした。 (発言者2)例えばサイトメガロとか、例えばこういう骨髄移植の患者さんではルーチンでやっているのかどうかですね。分からないですか。 (発表者)やっていないです。依頼があればやっているんですがこの患者さんではやっていないです。 (発言者2)依頼はない。そうですか。もう一つ先程も質問したんですが骨髄移植の患者さんというのは信州大学病院にはいっぱいいて、そのデータをずーととれるかどうかですね。もしこの症例で感染がないとして、1ヶ月も経ってまだ同じパターンだということになると、やはり一過性に起こっているのではないということになります。そうしますと移植そのものの問題ということになる。 (司会者)やはり、移植後のM蛋白の出現がどのような意義をもつかということが重要ということですね。 (発言者1)5月8日のもっと前のデータは同じですか。γ-グロブリンの減る前はどうなんでしょう。 (発表者)初診時でIgAが3000位ありました。 (発言者4)実は私も医科歯科大学の内科の先生と骨髄移植後のM蛋白の出現について、約1年にわたり研究を行っていますが、骨髄移植が成功した場合には、M蛋白が消えるというお話をよくなさいます。ですから来年は骨髄移植の血清蛋白ということに絞って、築地の癌センターでものすごくやっていますので、骨髄移植はどういうものかということを、特別講演にお願いしたら如何かと思いますが。 (司会者)ありがとうございます。来年のフォーラムに向けて新しいテーマができたようです。ぜひ、幹事会で話し合いたいと思います。貴重なご意見ありがとうございました。 ここで少しIgA2のサブクラスについてふれておきたいと思います。正常ヒト血清中には、IgA1とIgA2の構成比が93:7と圧倒的にIgA1が多く、本症例のようなIgA2型M蛋白例は極めて稀です。一般に、市販のIgA測定試薬は抗IgA1抗体が主体で抗IgA2抗体は低いため、IgA2型M蛋白例の場合、抗原過剰となってプロゾーンに入ってしまい、実際よりIgA濃度は低値として測定されます。そのため、蛋白分画値から算出されたM蛋白量と血清のIgA濃度に乖離が見られますので注意が必要です。 また、IgA2型M蛋白と正常のIgA1がある程度産生されている場合は、免疫電気泳動において、抗IgA(α鎖)抗血清でsuprを形成して二重沈降線として観察される場合があります。 確認方法ですが、IgAサブクラス抗血清を用いるほかに、レクチンの一種であるJacalinとの反応性を見る方法があります。IgA1はムチン型糖鎖を有するため、Jacalinと特異的に反応しますが、IgA2はこの糖鎖が欠如しているため反応しないことが知られていますので、そのJacalinと患者血清を混合し電気泳動を行い、M蛋白の易動度を処理前と比較することにより鑑別が比較的容易にできます。 また、IgA2はIgA2m(1)とIgA2m(2)との2つのアロタイプからなり、両者には構造上大きな違いがあります。IgA2m(1)はH鎖とL鎖の間にS-S結合がなく、2本のL鎖間でのS-S結合により二量体を形成する構造をもっていますので、IgA2m(1)は非還元下SDS-PAGEで容易にL鎖の二量体を遊離する性質があります。 この症例については、秋の日本臨床病理学会総会の臨床化学専門部会講演会でお話することになっていますのでぜひご参加下さい。 (発表者)さん、ありがとうございました。(拍手) |