第 3 回発表・抄録番号 2
β分画に異常がみられる症例
【症 例】
泳 動 所 見
:
α
2
とβの間に分画が出現。
アルブミン分画低値。
α
1
、α
2
高値。
γ分画やや高値。
その他の検査所見
:
βリポ蛋白、AFP著増。
結 論
:
高脂血症の疑い。リポ蛋白電気泳動にて確認する必要がある。
【解 説】
アルブミン分画低値、α
1
、α
2
高値、γ分画やや高値という点から、まず急性炎症型を念頭に置く。さらに、β分画が増高する病態は、妊娠とリポ蛋白が非常に増える場合が考えられる。
2つあるβ分画のうち、どちらが本来のβ分画かを考える。易動度からして、β
2
が本来のβであると思われる。
β
1
の位置に泳動されるのは、溶血(ヘモグロビン・ハプトグロビン複合体もしくは遊離ヘモグロビン。肉眼的所見として捉えられる)、βリポ蛋白などである。血漿(フィブリノゲン)の可能性も否定できない。補体にしては易動度が速いし、M蛋白にしてははっきりし過ぎている。
β
1
が本来のβであるとしたら、β
2
はフィブリノゲンである可能性が高い。
もしβリポ蛋白がこれだけはっきりしたピークとなるならば、高脂血症の可能性が非常に高い。これは、生化学的検査でも裏付けられた。リポ蛋白電気泳動で確認すべき(セパラックスSPならば、リポ蛋白染色できれいに染まる)。
AFPが非常に高値であることから、肝がんが疑われる。しかし、高脂血症を伴う肝がんはまれである。珍しい症例かもしれない。
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