第 3 回発表・抄録番号 2

β分画に異常がみられる症例

【症 例】

分画報告書

 
泳 動 所 見:α2とβの間に分画が出現。
アルブミン分画低値。
α1、α2高値。
γ分画やや高値。
その他の検査所見:βリポ蛋白、AFP著増。
結 論:高脂血症の疑い。リポ蛋白電気泳動にて確認する必要がある。

【解 説】

  1. アルブミン分画低値、α1、α2高値、γ分画やや高値という点から、まず急性炎症型を念頭に置く。さらに、β分画が増高する病態は、妊娠とリポ蛋白が非常に増える場合が考えられる。

  2. 2つあるβ分画のうち、どちらが本来のβ分画かを考える。易動度からして、β2が本来のβであると思われる。

  3. β1の位置に泳動されるのは、溶血(ヘモグロビン・ハプトグロビン複合体もしくは遊離ヘモグロビン。肉眼的所見として捉えられる)、βリポ蛋白などである。血漿(フィブリノゲン)の可能性も否定できない。補体にしては易動度が速いし、M蛋白にしてははっきりし過ぎている。

  4. β1が本来のβであるとしたら、β2はフィブリノゲンである可能性が高い。

  5. もしβリポ蛋白がこれだけはっきりしたピークとなるならば、高脂血症の可能性が非常に高い。これは、生化学的検査でも裏付けられた。リポ蛋白電気泳動で確認すべき(セパラックスSPならば、リポ蛋白染色できれいに染まる)。

  6. AFPが非常に高値であることから、肝がんが疑われる。しかし、高脂血症を伴う肝がんはまれである。珍しい症例かもしれない。



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