第 3 回発表・抄録番号 5
アルブミンにIgG−κが結合した症例
【症 例】
泳 動 所 見
:
蛋白分画(左)・アルブミンとα
1
がまったく分離不能
免疫電気泳動(右)・抗IgG、抗κの沈降線がはっきりせず、アルブミン側に長く延びている。原点から陽極側に沈殿物。
免疫固定法の抗IgGと抗κに対してアルブミン位置にバンドを検出。
その他の検査所見
:
IgG高値。
結 論
:
IgGとアルブミンが結合した症例と思われる。もっと直接的な手法で、両者の結合を確認する必要がある。
【解 説】
免疫電気泳動でアルブミンがテーリングすることはときどきあるが、非働化を行ったり、非常に古い血清だったりすることが多い。まず最初に、それと区別してほしい。つまり、新鮮血清で試験してほしいということである。
免疫グロブリンとアルブミンが結合する症例は、30年ほど前に発見され、以後3例しか報告されていない珍しいものである。第1例は、本症例と同様のM蛋白例。
2〜3例目は、原血清ではM蛋白が検出されず、本症例と同様原点の陽極寄りに尾を引いたような所見が見られた。IgGを精製し、細分画化したところM蛋白が検出でき、アルブミンと結合しているためにアルブミンに沈降線が伸びているということがよくわかった。
(会場より)15年ほど前、自分もこういう症例を経験した。アルブミンとIgAで、本症例同様のダイナミックな沈降線が見られた。L鎖のタイピングは、こんなふうにダイナミックには出ていなかったように記憶している。
免疫グロブリンとアルブミンの結合する原因としては、食物として食べた牛などが吸収され、それに対する抗体ができたとも考えられる。たとえば肝炎でアルブミンに対する抗体が増えるという報告があり、その場合は沈降線が尾を引くことはないが、牛アルブミンや卵白アルブミンに対して同じような沈降線を形成する。
次のステップとしては、つぎの点を確認してほしい。
1)抗アルブミン血清で、アルブミンの沈降線が塗布点の白濁して残っている部分までずっと尾を引いているかどうか。
2)IgGを分取精製し、アルブミンがたしかに結合しているのかどうか。
3)アルブミンと結合している蛋白と、蛋白分画で検出されたミエローマ蛋白とが同一の蛋白なのかどうか。
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