【症例へのコメント】
- (司会)一過性っておっしゃいましたけどこれは一過性といえないと思うんです。何故かと申しますと、SPを使ってその現状が消えただけであって、その物質が消えたという証明にはなりませんね。例えばセパラックスを使うとまた鈎型が良く出ているかもわからないですね。
実際私達10年前程に良くやった例なんです。ヒアルロニダーゼ処理前後なんですけれども、患者血清で鈎型が出てて、アルシャンブルー、ポンソ3Rで2重染色するとバンドが染色されて出てくるんです。そうしますとこのバンドを証明することによって、これが消えたか消えないかによってその物質が出ているかどうかがわかってくる訳です。確かに粘稠性はヒアルロン酸なんですけれどもそういう場合に、易動度的に鑑別が可能になってきます。
これは例えば pH7.25の0.35M酢酸カルシウム緩衝液を使うとある程度、易動度的に同定が可能になってきます。このバンドが本当に消えたかどうか見ない限り、その物質が一過性でなくなったという証明にならないと思いますから、もし必要であれば条件の方は後でお教えしますから。
それとですね、例えば尿なんかやりますと、ヒアルロン酸だけでなく、他のムコ多糖も出てくる訳です。ある症例ではコンドロイチン硫酸とヒアルロン酸が出て来ていることがわかりました。アルシャンブルー、ポンソ3R2重染色することにより酸性のムコ多糖の同定が簡単にできます。
血中ヒアルロン酸濃度と鈎型との、関連性を見ると、実際その濃度を計ってみますと、セパラックスでは、だいたい50μg/mLの濃度でみられました。これ以下の濃度では鈎型様は出てきません。当然SPではもっと高い濃度でないと出てこないと思います。だから今回の症例でもかなり高濃度のヒアルロン酸で、出てきているんではないかと思っています。
私達の例では悪性腫瘍でその頻度が高くてですね、103例中11例血中のヒアルロン酸の上昇が確認されています。是非、経過を追って見て頂きたいと思います。そういう意味では臨床的に意義があると思います。
- (助言者)鈎型アルブミンは、アルブミンにヒアルロン酸が結合しているんですか?
- (司会、助言を受けて)ヒアルロン酸も、易動度的にアルブミンのちょっと手前にあるんですね。手前というより陽極よりです。それと凄い粘稠性持ってますし、アルブミンと若干結合している様な点があるみたいです。結合というよりは巻き込みという感じかもしれません。関節液で、やってみますとすごい粘稠性がある。
特にSPで出るというのは本当に珍しい。また非常に高濃度のヒアルロン酸が考えられます。
体腔液の混入というもの、私これよく判らないんですけれども例えばどういう状態なんでしょうか、採血の状態でこういう現象が起こるんでしょうか、実際に。
- (共同研究者、司会を受けて)私が聞いているのは、いやがる子供を採血しようと思って、針を間違って刺したら出る例がほとんどだということです。
それから、実は私、この症例の膜を預かっておりまして、正常な形に戻った状態での膜も預かってますから、もしケミカルにセ・ア膜を染めることができれば、今からでもヒアルロン酸があるかどうか同定できると思います。
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