第 8 回発表・抄録番号 2

Separax−SP膜及び各種セ・ア膜と反応IgA型M蛋白例について (13)

【透析膜との関係について】
  • (司会)透析導入時にはM蛋白の存在を確認できなかったわけですね。

  • (発表者)なかったです。
    それから、今日は資料を持って来なかったんですがこの患者、腎機能の悪化に伴ってある時点で透析膜を変えた時期がありまして、その膜の状況に関しては調べてないんですが、ある時点で膜は変わっています。

  • (助言者)私は腎臓の先生と一緒に腎透析膜に付く吸着蛋白の仕事をしたことがありますが、膜の素材によっていろんな蛋白が付くんです。もしかしたら、この人は透析に使う膜を変えたり、試作品の膜を使ったりしてこういうことが起こっているのかなと気がしました。
    透析膜は、各社かなりことなった性質をもっております。私は10年ほど前、テストさせて頂いたんですが、人工透析した膜からタンパクをとり出してSDS電気泳動をしたところ、付着した蛋白はかなり異なっておりました。

  • (司会)1つの可能性として、長期間の透析を繰り返しているうち、透析膜に対する抗体ができたのではないかと思われるわけですね。透析膜にはいろいろな種類がありますから、これらとの関連性について検索を進める必要があると思います。
    ただ、患者M蛋白の物理化学的吸着も完全には否定できませんし、人体に接する機会のないハプテン基の一種のジニトロフェニルに対する抗体活性をもつM蛋白例なども報告されていますので、免疫学的な交差反応に基づいている可能性も考えられると思います。
    ぜひ引き続き解析を行っていただきたいですね。そして経過観察も重要となってきますので患者のフォローをしっかり続けていただきたいと思います。

  • (フロアから)膜の吸着につきましては、普段僕らは血清や尿を濾過するときにミリポアフィルターを使っています。蛋白吸着の問題点はミリポアフィルターの分子サイズの問題だけじゃなくて、それぞれ吸着しているものが違うようなんです。実は尿蛋白の標準化でそういった問題がありまして、遠心して細菌などを落とし、ミリポアに通した尿をHPLCで蛋白定量を行ったんですが、ミリポアの種類によってかなり吸着する蛋白種類の結果が違うということがありました。従ってその点をもう少し吸着に関しましては、検討をされるといろんなデータが出て来るんではないかと思います。私もやりたいと思いますので宜しくお願い致します。



ELPフォーラム症例検討会へ戻る