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どう読む?蛋白分画
− データ解析のひけつ −
M蛋白に見えてM蛋白でないバンドをM蛋白様バンドといいます
代表的なものは以下のとおりです。
補体バンド:βの陰極側、かなりβに近い位置。新鮮血清を泳動したとき、補体C3cがβ主分画から分離して見られることがあります。セパラックスSPのような電気浸透現象の少ない膜では分離性能が高いため、とくに二峰性βが発生しやすくなります。この場合、翌日に再泳動をするとこのM蛋白様バンドは見られません。
また、泳動時に用いるブリッジング材にCaイオンが含まれている場合にも、補体成分が分離しやすくなります。以下の測定例は、全自動電気泳動装置のスポンジブロックを精製水で洗浄した場合(左4検体)と水道水で洗浄した場合(右4検体)を比較しています。画像ではあまりはっきりしませんが、肉眼ではひとめで確認できます。
フィブリノゲン:fast-γ領域の明瞭なバンド。採血方法や病態、投薬状況に影響を受けます。検体1滴にトロンビンや0.01%KCl、抗ヒトフィブリノーゲンラテックス試薬(島研究所製)を1滴加えて混和すると凝集します。また、M疑いバンドの分画値%と総蛋白よりM疑いバンドの蛋白量を計算し、フィブリノゲンの基準範囲よりずっと高値であればフィブリノゲン定量によっても確認できると思います。
溶血:α
2
分画のβ分画側(ヘモグロビンがハプトグロビンと結合した場合)。溶血により、α
2
分画とβ分画が不明瞭になります。また、ヘモグロビンがハプトグロビンと結合すると、α
2
分画のβ分画側に泳動されます。溶血の有無を確認してください。
AFP著増:アルブミン分画とα
1
分画の間。まれにAFP著増検体でM蛋白様バンドを見ることがあります。まず、AFPが著増する病態があるか確認してください。バンドは、鮮鋭であったり、α
1
分画が幅広く分画されているように見えたりします。
このほかに、ゴミや膜のキズをシステムが誤認したり(これは膜を見ればすぐに確認できます)、システムのアルゴリズムでは判別しにくい症例だったり(γ分画の形が標準形と異なる台形やお椀型である症例は、判別が難しい)することがありますので、注意してください。
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