第2回 特別講演「免疫グロブリン異常症」(2)


2.M蛋白の同義語


M蛋白の同義語


Paraprotein,異常蛋白,異種蛋白(Apitz,1940)

M−Component,M−成分(Riva,1958)
 M=myeloma または macroglobulinemia

M−Component,(Waldenstrom,1962)
 M=monoclonal

Pathological immunoglobulin,
 病的免疫グロブリン(WHO,1964)
 
 まず一般的には、モノクローナル免疫グロブリンのことを通称、M蛋白 M-Proteinというふうに呼んでいますが、今までいろいろな言葉が使われています。
 最初はParaprotein 異常蛋白あるいは異種蛋白(異種という翻訳は間違えていると思いますけれども)、異種蛋白というと人間以外の動物の蛋白質のことを異種蛋白とよく言います。異常蛋白という言葉が最初に使われていますので、今だにまだParaproteinという言葉が文献に出てきます。しかし、Para‐という言葉は構造が異なったという意味を含んでいますので、必ずしもM蛋白が構造的に正常の免疫グロブリンと違っているという場合ばかりではありません。大部分は正常の免疫グロブリンと構造的には変わりがないものが多いわけですから、Para-という言葉は適当ではないのではないかという意見が最近では大勢を占めています。

 その他にM‐Component  M成分という言葉が使われまして、Mはその当時はMyelomaまたはMacroglobulin血症のMをとってMと言ったんですが、その後モノクローナルという性格がはっきりしてまいりましてM‐Componentをモノクローナルな意味のMとして使われるようになりました。

 現在ではM蛋白のMというのはモノクローナルのMとお考え頂いていいと思います。ただM蛋白というのは他に細菌の菌体成分でM蛋白という言葉があります。臨床的には殆ど他に紛らわしい言葉が無いのですが、WHOの場合にはPathological lmmunoglobulin病的に見られる免疫グロブリン、正常では殆ど見られないという意味で病的免疫グロブリンと呼んでおります。いろいろ長ったらしいので、通称私どもはM蛋白と呼んでいるわけです。



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