第4回 特別講演「ポリアクリルアミドゲル電気泳動による血清及び尿蛋白の意義」(24)


4-6 尿蛋白の分析(1)


The Assay of Sulfosalicylate-soluble
Proteins in Urine

URINE 0.5mL
 ↓
 ↓Added 1.5mL of 3% Sulfosalicylic Acid Soln.
 ↓Stand for 20min at Room Temp.
 ↓Centrifuged at 3000rpm for 20min
 ↓
Supernatant 0.5mL
 ↓
 ↓Added 3.0mL of CBB Soln.
 ↓Measured at 590nm
 
 
 何といっても、PAGで私の思い出になっているのが尿蛋白であります。今日尿蛋白のいろいろな仕事をするようになった一番最初のきっかけになったのが、日常検査でスルホサルチル酸法を使っておりまして、それをクマシーブリリアントブルーG250法に変えようとした事です。

 260例で相関係数0.989の相関でしたけれども、いずれも100mg/Lまでの直線性でしたので、もう一度100mg/L以内で取り直してみたところ、3群に分かれたわけです。そして、スルホサルチル酸で高い群は造影剤の影響や混濁がありましたけれども、CBBで高い群を調べてみたところ、ガン患者が多かったのです。

 スルホサルチル酸の可溶性の蛋白が尿中に沢山ある事が判かったわけなのですが、それをSDS-PAGEしてみたのです。スルホサルチル酸で混ぜた後、遠心しまして、その上清液を泳動したパターンです。
 10番目は分子量マーカーです。そうしますと、アルブミンより小さい蛋白が沢山あるわけです。例えばα‐酸性糖タンパクです。これは悪性腫瘍の場合に尿中に多量にでてきます。この蛋白もスルホサルチル酸法では捕えてなかったという事が判ったわけです。

 次に考えたのは、定性法が現在もアルブミンだけをとらえているのはおかしいのではないかという事で、CBB法を試験紙法にしようとしたのです。だがどうしても試験紙法にはならなかったのです。そこで右図のようなのを考えました。これはCBB色調色をガラス管でつくって管状にし、試験管で発色させたのを肉眼で見て判定しようとしたのです。これは自分達は中々良いと思ったのですが、全く売れず失敗でした。


ベンスジョーンズ蛋白に対する反応性

検体定量値[g/L]期待値URINE-TPウロピースIIコンビスティックス蛋白分画[%]L鎖の型
アルブミンB.J.蛋白
10.22±±±0.0100.0κ
20.842+3+±±0.0100.0κ
30.15±±0.0100.0κ
40.762+2+44.155.9κ
50.742+2+±13.886.2κ
61.762+〜3+2+〜3+±±0.0100.0λ
70.48±7.078.2κ、λ
81.902+2+±6.593.5λ
91.082+3+2+3.196.9κ
100.782+2+2+2.297.8κ
110.863+3+±±0.0100.0λ
 次に考えたのは、定性法が現在もアルブミンだけをとらえているのはおかしいのではないかという事で、CBB法を試験紙法にしようとしたのです。だがどうしても試験紙法にはならなかったのです。そこで右図のようなのを考えました。これはCBB色調色をガラス管でつくって管状にし、試験管で発色させたのを肉眼で見て判定しようとしたのです。これは自分達は中々良いと思ったのですが、全く売れず失敗でした。



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