LDHアイソザイム(32)

 以上の様に日常の電気泳動検査は数字で表される技術と違い、異常パターンを直接“目”で捕らえる事ができる事から、そこには数々のドラマが生まれます。特に初めて電気泳動を担当した人がLDHアイソザイムアノマリーに遭遇した場合一種の感動を覚えるに違いありません。しかしそれは単に科学的研究の入口であることを知って頂きたいと思います。その中には未だ知られない病態や無限の情報が秘められており、我々にできる医学への貢献は、その本態の解明に積極的にアプローチすることから始まると思います。

 最後に私の最も尊敬する恩師の一人である故北村元仕先生がいつも云っていた言葉

検体は無限の情報源であり、それを見つける目と掘り出す手を我々みんなが持っており、後は実践する心だけである。”

 この言葉をもう一度噛みしめながら、私の講演を終らせて頂きます。
 ご清聴ありがとうございました。(笑&拍手)



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