![]() | それでは、最初に遺伝的変異のLDHサブユニットvariantについてでありますが、LDHサブユニット variantは、1963年、Boyerらによって報告されて以来、数多く報告されていますが、我が国での報告は諸外国に比べ極めて少ないのが現状であり、その出現頻度は5000人〜10000人に一人と云われております。 スライドの症例は、IgG、IgA欠損症、原発性硬化性胆管炎と診断された患者であり、左にLDHアイソザイム分析を行った結果を示します。原血清では、赤血球ともLDH1、2、3、4 のバンドが陰極よりに幅広く泳動され、明らかなアノマリーパターンを呈しました。 そこで、この異常が遺伝子によるものか否か確認する為、赤血球中のLDHアイソザイム分析を試みました。その結果がスライド下段です。原血清と同様な異常であり、先天性の異常であることが確認されました。 またスライドの右は患者血清の免疫電気泳動パターンを示しております。IgG の沈降線は免疫グロブリン製剤投与のため明らかに認められましたが、IgA の沈降線は全く認めず、Haptoglobinの沈降線も観察されておりません。 |