脂質はリポ蛋白質として、粒子状で循環している
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血管中のリポ蛋白質
リポ蛋白質の中身
脂質の役割
健常者のリポ蛋白質
高脂血症患者や脂質異常症のリポ蛋白質
リポ蛋白質の代謝
粒子状のリポ蛋白質の測定の意義
リポフォーのパターンの名称
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脂質(コレステロールやトリグリセリド)は水に溶けないので、血中にそれ単独では存在でき
ません。 必ずアポ蛋白質と結合した、図のような粒子状(リポ蛋白質)となって血中 を循環
しています。
※水に溶けないコレステロールやTGは、そのまま血中に存在しているわけではなく、 これらがアポタンパク質に結合して上図のような粒子状態で血中を循環しています。
レムナントとは、本来血流中で素早く代謝されるLDL(VLDLレムナント)やカイロマイクロンレムナントなどのTGが豊富なリポタンパク質のことを言い、これらが血流中で増加することが動脈硬化の原因となっています。
Small LDLは相対的にアポBが豊富でかつ小さな粒子サイズとなったLDLのことで、
動脈硬化発生と関係が深いと言われています。
大阪大学医学部分子制御内科学(第2内科)教授 松澤 佑次先生 監修
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b)リポタンパク質の中身
リポタンパク質は図のような構造です。
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タンパク質
極性基
脂肪酸残基
遊離コレステロール
コレステロールエステル
トリグリセライド
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c)脂質の役割
脂質は主に次の3種類があり,それぞれの役割を担っています。
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d)健常者のリポタンパク質
健常者のリポタンパク質は
- VLDL(超低比重リポ蛋白質)
- LDL(低比重リポ蛋白質)
- HDL(高比重リポ蛋白質)
でできています。。
リポフォー(PAGディスク電気泳動法)で,これらは固有のサイズによって分ける事が出来ます。それぞれは,非常にきれいで安定しています。
e)高脂血症患者や脂質異常症のリポタンパク質
脂質異常症のリポタンパク質には,健常者のVLDL,LDL,HDLの他に下記のようなものが出現します。
- カイロマイクロン
- カイロマイクロン レムナント
- ミッドバンド(IDL,VLDLレムナントともいう)
- small LDL(Small size LDL, Small,dense LDLともいう)
リポフォー(PAGディスクゲル) デンシトグラム
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* セルロース膜やアガロースゲル膜による電気泳動法(保険85点)によるリポ タンパク質の測定結果を,VLDL,ミッドバンド,LDL,HDLと表現したり,コレステロ ール染色やTG染色して,LDLコレステロールと表現している所もあります。測定 原理上はこれらはβ-コレステロールに区分される必要があります。またミッドバン ドについては,過去PAGディスク電気泳動法で,ミッドバンドが臨床上重要である との報告ばかりです。アガロースゲル電気泳動で出るミッドバンド様のものはどん な疾病で出ているかはまだ報告がありません。注意する必要があります。
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