第 12 回発表・抄録番号 1

骨髄移植後に遭遇したM蛋白血症 (9)

【質疑応答1】
  • (司会者)ありがとうございました。白血病の患者で移植後にM蛋白が出現した2症例について報告していただいたわけですが、フロアーの方から何かご質問ありませんでしょうか。
     最初の症例は骨髄移植、もう1例は末梢血幹細胞移植後に出現した例ですが、白血病では、このような移植治療がよく行われると思います。ここで問題となるのが、これらのM蛋白が一過性のものなのかどうか、M蛋白の出現がウィルス感染で起こったという考え方でよろしいんですか。

  • (発表者)そうではなくて移植する前に全身を放射線や化学療法で治療した時に本人のDNAが切断される、それが移植後にも残っているので、移植されたドナーのDNAに影響があるんじゃないかと思われます。

  • (司会者)移植後のM蛋白の出現についてはいろんな要因があると思いますが、移植方法も一つの要因になっているかもしれませんね。当然ながら、化学療法で腫瘍細胞をたたいた後に移植を行っていますから、免疫機構に異常が生ずる可能性は非常に高いと思います。(発言者1)さん、移植に関していかがでしょうか。

  • (発言者1)難しいです。事実だけからいうと、一過性ですね。第一例の患者さんは亡くなられたけれど、増加し減ってきている、だから感染症と関連があるのか、炎症でそうなっているのか、GVHDという免疫反応によってそうなっているのか良く分からないのです。シャープなM蛋白ではないですね。ですから、私は感染症ではないかと、経過から見て直感的に思いますが。

  • (司会者)信州大も肝移植後の感染症とオリゴクローナルバンドの出現との関連性を検討しようという動きがでてきています。

  • (発言者1)一般的に移植でなくても、シャープなバンドでないけどちょっとブロードなバンドで肉眼的に見える位というのは、他の炎症でも見えてきます。割と広いM蛋白というのも見えてくるから、そういうのを普段から見ているから移植と本当に関係があるのか良く分かりません。あと移植した時に、先程、うちの担当者に聞いたんですが、ドナーには少なくともプラズマサイトは入ってないんじゃないかというのです。だからM蛋白は本人からのプラズマサイトです。

  • (司会者)(発言者2)さん、移植後のM蛋白の出現についていかがですか。

  • (発言者2)まずこういうM蛋白が常に骨髄移植でおこり得るかどうか。もし骨髄移植が原因であれは殆どの症例でM蛋白が検出されるということになる訳ですが、そうではないんですか。

  • (発表者)移植後に少しだけ出ていることがあります。

  • (発言者2)何らかのM蛋白様のバンドやオリゴクロナルバンドとかが必ず出ていますか。

  • (発表者)必ずではないんですが、ほぼ。

  • (発言者2)ほぼ起こっているとなっても、まったく解決になりませんね。何故かというと、骨髄移植によって、いわゆる化学療法でまずたたいて、この患者さんもM2を化学療法で寛解に導いてその上で骨髄移植やってますから、寛解に行ったときに化学療法でほとんど骨髄細胞たたいている訳ですからコンプロマインズドホストという状態になっていて、極めて感染しやすいです。それに他人の細胞が入ってくる訳ですからそうなった時に、感染がおこればオリゴクロナルのようなM蛋白が出現してくることは十分考えられる。それだけかどうかですね。骨髄移植によって、先程もちょっと議論あったんですが、サイトカインが動いて、それがいくつかの経緯をとって、形質細胞に刺激を与えて特異な免疫グロブリンが産生されるのかどうかですね。



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