第 6 回発表・抄録番号 1

セパラックスSPによる蛋白電気泳動で正常5分画のγ分画より陰極側に出現したM蛋白様分画の検討 (9)

【IgGサブクラスについて】
  • (共同研究者)私は今回初めてIgGのサブクラスの免疫固定についてやりました。その抗血清はノルデックという会社のなんですけれど、一つ非常に興味があったのは、IgGの1だけが膜によって動くのか。その辺がもう少し検索したいなと云うところなんです。M蛋白が、特にIgGやIgAのM蛋白が出た血清について、サブクラスの抗血清が既に出ていますので、この次はもうIgGの何だというところから一歩進めてですね、サブクラスを同定していくと、そうするとIgGの1でもここにある人とここにバンドがあるのと違う、という様なことがわかれば、すばらしいことじゃないか、とこの症例をやらせて頂いて思っています。

  • (助言者)今見ていてちょっと気がついたんですけれど、この現象はおかしいですね。ここなんですけれども、これは恐らくIgG の沈降線だとすればですね、たぶんそれしかないと思うんですが、抗IgG の沈降線、これは恐らくノーマルのIgG、ここにもう一つきてますでしょう。ですからこういうヒゲ、私も髭あるんですけれども・・(笑)こういうヒゲの点というのはおかしいんですね、なぜかというと同じ抗原性を持っていてこういうのは出てこないんです。ひょっとするとこちらの(こっちからは抗原はこっちへ行ってますから)少なくともここにこういうのが出て来るというのはおかしい訳で、同じ抗原抗体反応起こすと皆こっちへ吸収されちゃうんです。抗体はここで反応起こしますからこっちへ来ないんです。ということはこの抗原性よりこっちの抗原性の方が少ないということでそうすると分子が小さいですね。少なくとも抗原決定権がこっちの方が少ないということで。こういうの経験したのは私はカンボジア人しかないんですけれども、ですからひょっとするとこいつはそういう可能性もっているんではないかと、そうすると先程易動度かなりずれている、λずれていたんですけれど果してこの沈降線とこの沈降線ほんとに同じかと云うと、これ難しいですけれど、2枚泳動して、つなぎ合わせてみると判るんですが、本当に同じかどうかチェックする必要があるということと、先程λがちょっとずれていたということと、あるいは関係があるかもしれないという可能性があるということです。本当はこれ3回も出しているんですけれども(笑)もう一回やらにゃいかんのかなぁとこれ簡単に調べられるのは、グレサンクローチをもしやってあるのなら出して頂きたいし、なければやはり分子量調べる必要がある。

  • (共同研究者)メルカプトエタノールで切ったやつを免疫固定したんですけれど、易動度は全く同じなんです。

  • (助言者)分子量が同じなんですね。是非グレサンクローチやられたらいいと思います。
    そういうことと先程のアガロース・アガーと易動度が違うということと関係あるかわかりませんけども、何か特殊なものという感じがしますですね。
    ノルデック社のものは、市販されているなかでは一番いいサブクラスのIgGだと思うんですけれども、サブクラスをキチッと同定できる抗体は1社しかなくてそれは市販されてないこと、市販されたら譲りますという話があります。
    確かにIgGの1というのはサブクラスの中で一番量が多い訳で通常の正常血清の7割くらいIgGですからM蛋白が出れば7割は1サブクラスということなんですけれども、どうもM蛋白はちょっと分布が違うようですし、正確に調べてみようかなという感じはあるんですね。たぶん正しいと思いますけれども。

  • (司会)我々もですね。10年位前ですか、寒天に反応する蛋白でやりまして、それがサブクラスで私達はIgGだったんです。アガーから硫酸基というか酸性の物質を除いた奴がアガロースなんですが、我々はアガ−から硫酸基を除いた実験をやってみました。そうしますと、やはり同じ様にスローインされてM蛋白が出て来るんです。だから恐らくこの症例も、もしかすると硫酸基と反応するM蛋白かもわからないです。興味がありましたら、後で文献差し上げますから、実験してみて下さい。
    それから、例えばSDS−PAGE後のブロッテングで是非分子量をみてみてください。もしかしたらそこから新しい蛋白が見つかるかもわかりませんから。是非そこまで一つの研究どんどん深く掘り下げられることができるかということをこれからもまた進めて頂きたいと思います。



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