LDHアイソザイム(9)

 一般にHサブユニット variantの場合、Hサブユニットの構造遺伝子に突然変異がおこり、その結果生じたH′サブユニットと正常なHサブユニットとの組合せにより電気泳動上15本のLDHアイソザイムが存在しております。各分画のアイソザイムの量適比率は、スライドの様な2項比を示すことが知られております。
 しかしながら、本症例では血清、赤血球とも理論的な2項比を示さずLDH1 の活性帯の量的比率は1:5:7:4:0.5とHに比較しH′サブユニット活性が低値を示しました。さらに赤血球のヘモグロビン1g 当りのLDH活性が異常な低値を示した事からH′サブユニットの細胞内での不安定性、産性不良等が強く示唆された例であります。



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