アミラーゼアイソエンザイムアノマリーの検出と意義(11)

 一方アミラーゼの抗原性を巡っての議論はかなり歴史が深い訳でございます。特に近年、血清酵素の免疫学的な測定法、先程CK、MBの免疫学的な測定法についての問題点という様なことで金光先生もおっしゃいましたけれどもCK−MBに始まりLDHにおいてもLD1を免疫学的に測定すると云う傾向があるかと思います。アミラーゼについてもそう云うトライが歴史的にございます。ところがそれぞれの研究が事々くP型アミラーゼ、S型アミラーゼが非常にクロスリアクションすると云う事から失敗に終わった訳であります。
 

Polyclonal antibody
  1. Takeuchi T et al.CCA,1975,60,207-213.
  2. Takeuchi T et al.CCA,1977,77,203-206.
  3. Boehm-Ttuitt M et al.CCA,1978,85,476-487.
  4. Takatsuka Y et al.CCA,1979,97,261-268.
  5. Jalali MT et al.CCA,1985,150,237-246.
Monoclonal antibody
  1. Mifflin TE et al.Clin Chem,1985,31,1283-1288.
  2. Gerber M et al.Clin Chem,1985,31,1331-1334.
 その歴史をたどってみますと、1番から3番までの論文はP型アミラーゼを抗原としております。P型アミラーゼを抗原としますと殆どクロスリアクションしまして区別出来ないと云うことが分かりました。ところが3番4番はS型アミラーゼを抗原として免疫した抗血清を用いると、かなり特異性が高いということが分かった訳です。そこで5番の人はポリクロナール抗体を用いてS型アミラーゼを特異的にキャッチすることができるような抗体を作りました。そして皆さんご存知の様にMifflin とGerber と云う人たちがアミラーゼのモノクロナール抗体(私共も今回検討に使いましたモノクロナール抗体)を作成し、キット化されました。我が国でもそうした抗体が完成されてS型アミラーゼを欠活させるような方法のキットが市場に出ているかと思います。



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